近年、マーケティングリサーチの現場ではAI活用が進んでいます。 従来のアンケート調査は数値データを軸に分析されてきましたが、「なぜその回答に至ったのか」といった深い洞察を得るのは容易ではありませんでした。 そんな中、楽天インサイトが2026年1月30日に発表した新機能「AIインタビュー機能」が 市場調査のあり方に新しい可能性をもたらしています。 本記事では、その特徴や活用メリット、導入のポイントを解説します。
1:楽天インサイトの「AIインタビュー機能」とは?
「AIインタビュー機能」は、楽天インサイトが提供する AI搭載ツール「楽楽プロファイル」に新たに追加された機能です。従来のアンケート調査では、回答者の属性や傾向を数値化し、グラフや表として分析することが主流でしたが、この新機能では調査結果から自動生成されたターゲットプロフィールと AIが対話できる点が最大の特徴となっています。
この機能は、アンケートで得られたデータをAIが「人」のように擬人化し、チャット形式で質問・応答ができる仕組みです。 対話を通じて、単なる数値データでは掴みにくい 「価値観」、「行動背景」、 「意思決定の理由」などの深層に迫ることが可能です。 これにより、マーケターやリサーチャーは、 従来の分析以上にターゲットの心理や 行動パターンを理解しやすくなります。
また、対話の最中にどのような質問をしたらよいか分からない場合でも、 「先輩AI」と呼ばれるサポートAIが 質問の進め方やヒントを提供してくれる点も大きな特徴です。 これにより、初めてAIを使う方でも 比較的スムーズにインタビューの進行ができます。
2:AIインタビュー機能の主な特徴と仕組み
AIインタビュー機能には、単なるAIとの会話以上の 特徴的な仕組みがいくつかあります。 その中でも特に知っておきたいポイントを丁寧に解説します。
◆ ターゲットプロファイルの自動生成
まず、アンケートの集計結果をAIが分析して、 対象となるターゲット像を自動生成します。 このプロファイルは、属性情報だけではなく、 生活意識、趣味嗜好、 ブランドへの関心、メディア接触履歴まで含んだ 多面的なデータをベースにしています。
◆ AIによる擬人化と対話
次に、そのプロファイルを元にAIが人物像を擬人化します。 例えば、20代女性や40代男性といった属性情報だけでなく、 「どんな価値観を持っているか」、 「なぜその選択をしたのか」といった背景も 対話を通じて引き出せるのが大きなメリットです。 これは、マーケティングにおいて 非常に価値の高い洞察になります。
◆ サポートAI「先輩AI」で対話をガイド
多くのユーザーにとって質問の設計や 対話の進行はハードルになりがちです。 この点を補うために、 「アイ先輩」と呼ばれる調査サポートAI、 そして「リッキー先輩」と呼ばれる 発想支援型AIの2種類が用意されています。 目的に応じて選択できるため、 初心者でも安心して利用できます。
3:市場調査でAIインタビュー機能を使うメリット
新機能を導入することで、 従来の市場調査にはない さまざまなメリットを実感することができます。 ここでは特に代表的な利点をわかりやすくまとめました。
✔ 深いインサイトの発掘
通常のアンケート分析では 「何が起きているか」は分かっても、 「なぜそのような結果になったのか」まで 読み解くのは難しいことがありました。 しかしAIインタビュー機能では、 対話を通じてユーザーの 価値観や理由付けまで 深掘りできるため、 洞察の質が大きく向上します。
✔ アイデア創出の支援
マーケターや企画担当者が 「次の一手」を考える際、 単なる数値分析では 視点が限定されがちです。 AIとの対話は、 思考のトリガーとなる 新しい視点を提供し、 企画立案やアイデア出しに役立ちます。
✔ 初心者でも使いやすい
データ分析に詳しくないユーザーでも、 視覚的な分析画面に加えて 対話形式で質問できるため、 複雑な分析プロセスに 悩まされることなく進めやすい点も 大きなメリットです。 サポートAIによるガイドも その一助となっています。
4:導入のポイントと注意点
AIインタビュー機能は魅力的な機能が多い一方で、 導入にはいくつかのポイントや 注意点もあります。
◆ 本格提供は2026年2月中旬予定
現時点では2026年1月30日から 試験運用として提供が開始されましたが、 すべての企業・団体を対象とした 本格提供は 2026年2月中旬頃を予定しています。 これから活用を検討している場合は、 提供開始時期を確認しながら 準備を進めると良いでしょう。
◆ 利用対象条件の確認
試験運用期間中は、 楽天インサイトで調査依頼の実績がある 企業・団体が対象となっています。 そのため、初めて利用する場合は 対応条件の確認が重要です。
◆ 分析結果の解釈には注意
AIが生成した対話内容は、 あくまで補助的な洞察として 活用するのが基本です。 AIの回答をそのまま結論にしないことが重要で、 マーケター側の解釈や 検証を加える必要があります。 これはAI活用全般に共通する注意点です。
まとめ
AIインタビュー機能は、 従来の市場調査手法に 新たな風を吹き込む 可能性のあるツールです。 単なる数値分析を超えて、 価値観や意思決定の背景を 対話形式で掘り下げることができるため、 マーケティングの意思決定に 活かせる洞察を得やすくなります。
一方で、導入時の条件や 目的に応じた使い方を 意識することも重要です。 今後の本格提供を見据え、 早めに準備を進めることで、 より深い市場理解と 効果的な戦略立案が期待できるでしょう。

